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考える言葉

アンケート

2013年09月09日

 東京でタクシーに乗ったら、座席前の小冊子が目についた。

 パラパラとめくっていると、「"アンケート"の5段階で、4をつけたお客様はもう来ない」という文章が目に入り、読んでみると納得...。

 「あなたの仕事への"アンケート"を読む時、5段階評価で5以外は読む必要がありません。4も1も同じくアウトです」

 5段階評価をするとき、①5の評価をする人と②1~4までの評価をする人の2種類に分けられるという。そして、4をつけるか1をつけるかは、書く人の優しさの問題なのだという。一番大きいのは4と5の差であり、4と1の評価には大差はないというか、同レベルだと考えた方が判断を誤らなくてよいのだという...。

 この考え方は、たいへん共感できる。小生も、セミナーを主催することや、講師をする機会が多く、"アンケート"を頂くが、5の評価の数や割合が気になるところである。それと、5の評価をする人でコメント欄に感想まで述べている人がいたら、有難いと同時に、その後の縁のつながりも感じたりする。

 もう一つ気になる人は、1と2(やや不満、大変不満)の評価をする人。後学のために、その理由を聞いてみたいと思うが、残念ながらコメント欄を書く人はほとんどいない。自らの反省のセンスを磨くしかないか...。

 "アンケート"に限らない。日頃の会話の中でも、似たようなケースをよく見かける。「どうだった?」「うーん、まぁまぁかな...」。「どうする?」「考えておくね...」。これらは、基本アウトなのである。

 さて、"アンケート"の結果は、どれくらい上手く活用されているのだろうか?

 5段階評価の"アンケート"は、上記の通り、白黒がハッキリせず、曖昧な感触を得ただけで終わっているのではないだろうか。

 じゃ、「良い」「悪い」の二択はどうか。明確な回答を得られるのでいいと思うが、遠慮が働いて、回収率が悪そうな気がする。

 考えてみると、5段階評価も二択評価もクローズドな質問で、ある意味において事実の確認はし易いが、限定的で、押し付けがましいところがある。できれば、"アンケート"の様式は、自由な意見をもらえるオープン・クエスチョン(=5w1h)を問う方がいいと思う。でも、もっと回答率が悪くなるか...。

 今年も、NN構想の全国大会の開催日(9月12~13日)が近づいてきた。過去にもたくさんの"アンケート"を頂いているが、活かされてきたのだろうか。たくさん、好評の"アンケート"をもらえるよう、祈りたいと思う。

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