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所得倍増プラン

2014年02月10日

 "所得倍増"といえば、60年代はじめの池田勇人内閣が打ち出した政策である。単純に、「これから、日本の国は豊かになるのだ!」と、子供ながらにワクワクしたのを覚えている・・・。日本は現に、その後経済大国として抬頭していく。
 アベノミクスの三本の矢は、デフレ脱却による経済の活性化を目指しているのだが、インフレターゲットが昇給につながるかどうかが問題で、安倍首相自らも賃上げの要請をしているぐらいである。
 それに呼応したわけではないが、諸々のミクロ的な背景もあって、IGグループの"所得倍増プラン"を部署別・個人別につくってもらうことにした。想像していた以上の反響である。
 まずは、現状の1.5倍を目標にする。そして、どうすれば倍増できるのか、そのためには何をするのか、いつまでに達成可能かを徹底して考えて各自発表をしてもらい、議論をする。増額目標を達成年数で割ってやると、一年の増額目標がみえてくる。到達するまでの階段のつけ方によって年数は変わってくるが、それは自分自身のさじ加減である。
 やってみると、意外と効果が大である。
 ① 個人の夢や目標と仕事の成果が重なってきてモチベーションが高まる。
 ② 給与を稼ぎ出すのは自分自身であるという主体性がはっきりしてくる。
 ③ 毎年の昇給は理想賃金からの逆算であるからチャレンジ性が高くなる。
 ベースアップ5~10%程度なら、過去からの積み上げで考えられなくもないが、倍増となれば土台からぶっ壊して考えない限り、そう簡単なものではない。
 新春セミナーで"所得倍増プラン"に対する取り組みの話をしたら、その翌日にある経営者から電話を頂戴した。
 「先生に感謝を言いたくて・・・・・、私には倍増という発想はなかった。考えれば考えるほど、現状での倍増はどんなに逆立ちしても無理だと分かった。つまり、現業だけでは明るい未来はない。ドメインの再構築こそが、今私がなすべき仕事だと・・・」 少し興奮気味に、新事業への取り組みへの想いを語って頂いた。
 それは、未来への想いであり、意思決定なのだ。まさに、目標が現実的であるかどうかは、どうでもいい。そこへ到達するまでのプロセスが描け、それを達成するための手段が現実的であることが肝心なのである。
 "所得倍増プラン"は、考えれば考えるほど、楽しくなる。達成できたときの多くの人の喜ぶ顔が浮かぶ・・・。やる気満々である!

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