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考える言葉

NN大会パートⅡ

2017年09月19日

 前回に引き続き、NN全国大会(第18回)の話題について紹介したい。

 今回、基調講演の講師をお願いしたのは、ベストセラーとなった『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズの著者である坂本光司教授(法政大)である。

 講演のテーマは、『経営者の心得50ヶ条』である。坂本教授の凄さは、学者であるにも関わらず、徹底した現場主義にある。これまで訪問調査・アドバイスをした中小企業の数は、8000社を超えるという。今でも、年間150社は訪問するというから頭が下がる思いである。

 坂本教授の講演はいつ聴いても歯切れがよく、ブレがない。それは、言動の原点となっている価値観(=思考の枠組み)が素晴らしいからだと思う。

 以前に、同教授から頂戴した『経営者の手帳~働く・生きるモノサシを変える100の言葉』(あさ出版)は、折に触れて読み直しているが、中小企業の経営者にとって深く考えさせられる内容がたくさん詰まっている良書だと思う。

 教授は、経営の使命・目的を次のように定義している。

 「経営とは、会社にかかわるすべての人々の永遠の幸せを実現するための活動のことである」 (業績と成長は、その使命の"結果現象"にすぎない)

 さらに、「経営においては、常に"五人"の幸福を念じ、その実現を図らねばならない」

と述べ、その"五人"の優先順位については下記の通りだ。

 第一は、「社員とその家族」

 第二は、「下請け企業などの社外の社員とその家族」

 第三は、「現在顧客と未来顧客」

 第四は、「地域住民」

 第五は、「株主:出資者」

 利害関係者(ステークホルダー)に対する優先順位のつけ方も、ユニークで教授らしい。(顧客第一主義でも、株主優先でもない)

 経営者の仕事の特徴は、多くの人たちとの依存関係で成り立っているところにあると考える。その中でも、最も身近で影響し合い、依存し合っているのは「社員とその家族」であろう。その「社員と家族」の満足度を優先してこそ、経営の基盤は充実し、盤石なものとなる・・・。

 社長と社員の信頼の絆は、①目的の共有、②貢献意欲、③良好なコミュニケーションによって、つくられる。

 「何のために、働くのか?」 つねに、自らに問い続けたいと思う。

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