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考える言葉

売上アップ

2016年07月04日

 ご存知のように、「売上=単価×数量」である。"売上アップ"、つまり売上を増やす方法は、「単価を上げるか」あるいは「数量を上げるか」しかない。
 さて、そこで問題・・・。
 ① 「@100×1個=100」も、 ② 「@1×100個=100」も同じ100の売上である。
あなたなら、どっちの方法を好ましいと思うだろうか?
 昨日のIGグループの第2四半期合宿で、若手のメンバーに聞いてみた・・・。「①の方が、売価が高い分、販売数量が少なくて済むから、効率がいい」「でも、返品等があったら売上はガタ落ちだよね・・・。その点では、②の方はリスクが小さい」「①の方が、付加価値が高そうだけど・・・(ホントに、そう?)」等々。
 一つ認識しておくべきことは、単価と数量の違いは、単価の方は上げるとそのまま利益の増加になり、下げるとそのまま利益の減少になってしまうこと。また、数量の増減には、原価の増減が伴うということである。「値決めは経営」(稲盛和夫氏)という言葉があるように、そう簡単にどっちがいいか決められるものではない。
 "売上アップ"の目標を立てるとき、考慮すべき点がある。それは、必要利益の確保と回収すべき固定費を考えた上で、それを稼ぐためにどれだけ"売上アップ"が必要かという視点である。
 その"売上アップ"目標を達成するために、どのように「単価×数量」を決定するかを考える。
 単価は、顧客が納得し、喜んで買ってくれる最高の値段を見抜けるかどうかである。「原価+必要利益」という単純さでは、売るのが難しいだろう。その意味においても、まさに「値決めは経営」である。
 数量は、どれだけ売れるかの読みである。市場の動向を見極める必要がある。これから先もニーズは増えていくのか、類似商品との競争力はどうなのか、新しい流通チャネルの開発はどうなのか・・・。
 「単価×数量」で売上アップを考えるとき、さらに考慮すべきは変動費比率である。変動費比率が高いと、当然ながら粗利が低くなる。粗利が低いと固定費の回収が難しくなる。そう考えると、「単価×数量」(=売上)は、変動費比率の高低によって左右されることになる。
 "売上アップ"は、単価と数量の組み合わせをどうするかによって決まることになるのだが、必要利益、固定費と変動費を考慮に入れて、「単価×数量」のマーケティング戦略を構築する必要があるといえよう。

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