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考える言葉

質問力

2013年08月05日

 "質問力"の重要性について、よく話をする機会がある。

 なぜなら、「"質問力"を磨く」というテーマは、時代の大きな転換期であることを意識して生きている人間にとって、極めて優先順位の高い課題だと思うからだ。

 "考える言葉"シリーズを書き始めたのが、平成8年(1998年)。自分の頭の中で浮かんだ「?」、それを自分に問いかけて、考えてみる。それを発信することによって、他の人の考えも聞いてみたい。それが、発端であった。

 やり続けて17年目になるが、一つ気づいたことがある。それは、良い"質問"に出逢うと、脳が働きだし、思考力が高まるということだ。

 セミナーなどで"質問力"の重要性を話すと、決まって質問されるのが「"質問力"を磨くには、どうしたら良いのか?」...、難しい質問だ。「あなたなら、どうしますか?」と問い返すことが、正解だと考えるのであるが...。どうだろう?

 「"質問力"を磨くためにどうしたら良いのか?」...。自己の経験から一つだけいうと、日常の仕事の中で、問題意識を持ち得ているかどうかであろう。

 「自分なら、これをどう考えるか?」、「何のために、そうするのか?」、「なぜ、その必要があるのか?」を、つねに問う習慣を身につけることであり、その重要性を意識して仕事をしているかどうかではなかろうか。

 質問には、二つのパターンがある。一つは、ハウツー的な質問で、「どうすればよいのか?」と解答を求める質問である。もう一つは、「何のために?なぜ?」という、自ら思考するために必要な情報や材料を求める質問である。

 ここでいう「"質問力"を磨く」とは、むろん、後者である。「なぜ?」を問い、人間の思考力を働かせてくれるための"質問力"である。

 トヨタの改善チームは、「なぜ?」を五回繰り返すことで有名だ。

 「なぜ、そんなことが起きたのか?または、起きるのか?」と問うことで因果関係を明確にしたり、「なぜ、それをやるのか?」「なぜ、そこから手をつけるのか?」と問うことで根拠を明確にしたり、することができる。

 優れた"質問力"を身につけている人は、自らの主体性を発揮できる機会を得るばかりではなく、関わりをもつ他の人からも感謝される。

 なぜならば、彼が発信する質問は相手の気づきを生み、問題の本質を引き出し、問題解決の糸口を提供する機会となるからである。

 ① 状況の把握、② 原因の究明、③ 意思決定、④ リスクへの対応などに役に立つ"質問力"を養いたいと考える。

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