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考える言葉

真髄

2014年09月01日

 "真髄"とは、極意とか奥義とも同義であるが、そのものの本質をいう。
 例えば、マーケティングに関して、経営の神様といわれたピーター・F・ドラッカーが次のようなことをいっている。
 マーケティングとは、顧客からスタートする事業全体の思考と行動であり、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることであり、自然と売れる仕組みをつくることである」と、述べている。 つまり、「売り込まなくても、売れる仕組みをつくること」が、マーケティングの"真髄"だという。
 ある生保会社の人たちと話していたときに気づいたことであるが、多く抱えている代理店間で優劣が生じる。その差はなぜ生じるのか? 成績のいい代理店は、新商品が売り出されると既契約者にその情報を流すだけで、新たな契約をもらってくるし、新たな紹介までしてもらえるという。一方、成績の良くない代理店の場合は、「すでに、お付合いで契約をしてあげているではないか!」といわれ、話を聞いてもらうことすらできないという。
 私たち会計業界でも、同じような状況があるようだ。すでに税務会計でお手伝いをさせて頂いているクライアントがある。そのクライアントに役に立つと思い、新たなサービスを提案しただけで、すぐに承諾をもらえるところと、「うちは税務だけでいいよ・・・」と、ろくに話も聞いてもらえないところもあるという。
 その原因は、どこにあるのだろうか?ただ単純に提案した新しい商品やサービスに対するニーズがなかっただけだろうか・・・。もっとしっかりと売り込めば、買ってもらえたのだろうか・・・(単に、提案力や営業力不足か)。
 いや、そうではないと考えた方がいい。マーケティングの"真髄"である、顧客との間に「売れる仕組み」ができていないところにあるのだ。では、「売れる仕組み」とは何をいうのか?一言でいうと、関係性である。つまり、良好な関係性が普段から構築されているかどうかにかかっている。そう考えると、新契約が取れた、取れないという問題だけでなく、既契約だって、いつ切れてもおかしくないという危うい関係にあることに気づかされる。
 マーケティングに限った話ではない。人生も仕事もあらゆることがうまくいくか、いかないかは、関係性のあり様に7~8割方は依存しているのだと考える。確かに、ある人との出逢い、そしてその後の関係性のつくり方で、結果が大きく動いていく体験は誰もが、していることではないだろうか・・・。
 人生も仕事も成果が出るかでないかの"真髄"は、関係性の構築にあると考える。

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