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考える言葉

格付

2015年04月06日

 今回、柳澤賢仁税理士(東京)からの提案で、「一般社団法人 日本中小企業格付機構(JSBR)」の立上げに参画させてもらった。
 バブル崩壊後だから、もう20数年前からだろうか、ムーディーズ、S&P、フィッチなど"格付"機関の存在を知ったのは・・・。その後、エンロンの破綻、サブプライムローンの問題や国(国債)の"格付"などでニュースとなり、何かと物議をかもし出す、傲慢で、いかがわしい存在としか思っていなかったのだが・・・・・。潰れずにあるということは、世の中から必要とされているからであろう。また、近年では中小企業の"格付"取得も静かなブームとなっているという。これを機に、中小企業における"格付"の意義と有用性について再考してみたい。
 JSBRにおける"格付"の目的は、中小企業の商取引に安心と信頼を実現するために、財務健全性に関し、職業会計人と共同で、信用"格付"を行うものである。その有用性について、"格付"を受ける側と行う側の両面から考えてみよう。
 先ず、"格付"を受ける中小企業にとっての有用性とは何か・・・?
① "格付"に基づいた誠実なリスク開示を行うことによって、外部環境との良好な関係性の構築ができ、様々な商取引の優位性を確保できる。(PR効果)
② "格付"により、自社の実力を正しく知ることができ、内部環境における自己変革の方向性を見定める機会ができる。
  次に、"格付"を行う側の職業会計人にとっての有用性とは何か・・・?
① 粉飾などがない、信頼性の高い財務諸表を作成することができる。
② 企業に対する問題発見能力が高まり、提案型サービスができるようになる。
③ "格付"を良くすること自体を仕事として提案できる。
 時代の大きな変わり目を迎え、事業承継問題をはじめ、様々な経営課題に直面している中小企業にとって、独自性のある成長戦略を描けるかどうかは、最優先すべき課題である。そのためには、孫子いわく、「彼(てき)を知り己を知れば百戦危うからず」である。
 また、中小企業のゴーイングコンサーンを下支えする「社会的インフラ」としての役割を担う職業会計人にとって、"格付"向上は、自らの業務を評価してもらえる指標になると考える。
 関心がある方は、ぜひ、下記の「日本中小企業格付機構」のホームページを開いてみよう。(入会特典については、問い合わせ要)
  http://jsbr.org/

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