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考える言葉

非居住エリア

2019年06月24日

『未来の年表』(河合雅司 著)がベストセラーとなり、話題を呼んでいる。

 本書は、「日本が少子高齢社会であることは常識であるが、その実態を正確にわかっている日本人は、どれだけいるのだろうか?」という問題意識から始まっている。

 人口減少は、社会基盤の衰退やインフラの劣化を招く重大な問題であるが、「人口減少カレンダー」にして、年代順に、将来において何が起きるかを示している。

 例えば、①2020年 女性の2人に1人が50歳以上に、②2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する、③2026年 認知症患者が700万人規模に、④2035年 「未婚大国」が誕生する、⑤2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに、⑥2050年 世界的な食糧争奪戦に巻き込まれる、⑦2065年~外国人が無人の国土を占拠する等など。これら以外のどれを取っても、かなり深刻な問題が指摘されてある。

 また、人口減少の統計データでは、日本の総人口は100年後に約5060万人、200年後に約1380万人、そして西暦3000年には2000人まで減少する、というから驚きである。

 氏は、先ずは人口減少において生じる問題を正しく認識すること。その上でいかに対処すべきかを考えるべきだと提唱し、「日本を救う10の処方箋」を提示している。

 その中で、最も関心を持てたことを一つだけ紹介したい。

 人口減少がどうしても避けられない現実であるとするならば、先手を打って「戦略的に縮む」ことを選択し、その一つの方策として「"非居住エリア"を明確化」することを提言している。

 つまり、「人が住む地域とそうでない地域とに国土を色分けしてコンパクトで効率的な国につくり変える」のだという。歩道の拡幅も含めインフラを計画的に再整備し、人々が自然に歩きたくなる街を目指す・・・。

 そして、"非居住エリア"は、大型農業などを生み出す集積地に転じていくことを提唱している。この提案には大賛成である。小生には、以前から過疎化が進んだ地域に農業を中心とした町づくりをするという、「農業城下町構想」というのがある。

 宿泊施設やシッピングモールを兼ね備えた農業研修施設の建物を中心に町づくりを展開する。農業を本業する個人や法人、老後を田舎で過ごし趣味で農業をする老人たち、教育としての農業を経験する若者たち、様々な形の農業がある。

 安心で、うまい、高付加価値な農産物のつくり方を学びに海外からの就労者たちが集い、滞留人口が町を活性化させる・・・。食料の自給率は高まり、さらに農業先進国としての日本のステータスが高まる。まさに、一石二鳥である。

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