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考える言葉

転機

2015年08月03日

 先だっての『IG後継者育成塾・第4期⑥』(H27.7.24~25in福岡)で基調講演をして頂いた坂本光司教授(法政大学大学院)は、「日本で一番大切にしたい会社」の著者としても有名である。
 そのとき、坂本先生から頂戴した『モノづくりで幸せになれる会社となれない会社~下請メーカー18社の転機』(坂本光司、林公一編著・日刊工業新聞社)は、"転機"に立たされた下請けメーカーが脱下請け・自立化経営にパラダイムチェンジする戦いを取材し、リアルに描いた名著である。
 小生とは置かれている立場や業種も全然違うが、"転機"という面では同じで、どのように思考し、行動すればよいのか、またやり続けることの重要性を改めて感じさせられたので紹介したい。
 本書によると、バブル崩壊以降の20年間で約30万もの工場が国内から消えたそうで、それは率でいうと40%もの大幅な減少なのだそうだ・・・。
 "転機"をチャンスと捉え、幸せになれた企業の特徴は、変化によって生じる問題を一過性のものと捉えず、構造的な変化・問題として捉え、対応したところにある。つまり、眼前で起きている変化をどう捉えるかによって、対応が全然違ってくるのである。
 構造的な変化(ほとんどがそうであるが・・・)であるならば、外部環境に依存せず、自己革新の断行しか打つ手はないのである。つまり、自分の生き方や経営の考え方・進め方を変えることしかないのである。
 ① 自らの理念や強みをベースに独自性を発揮する。
 ② 過去の延長線上ではなく、未来のあるべき姿から逆算する。
 ③ 脱下請け・自立化を志向する(オンリーワン企業)。
 ④ マーケットインの思考で、商品やサービスを見直す。
 ⑤ 現状に満足せず、つねにイノベーション思考を怠らない。
 ⑥ 値決めができる市場を創造する。
 ⑦ 覚悟を決めたら、成果が出るまでやり続ける。
 ⑧ 人との出逢いを大切にし、関係性を深める。
 ⑨ 人本主義の経営を貫く。
 ⑩ 「モノからコト」へシフトし、新たな価値を創造する。
 自らの目的を明確にし(理念、ドメイン、ヴィジョン)、信念を貫く。それが揺るぎない行動へとつながり、快活な企業へと変身していったのである。
 "転機"をチャンスの変える醍醐味が、この本のなかにある。ぜひ、一読を!

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