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考える言葉

環境

2016年09月05日

 "環境"と価値観の関係性について考えてみたい。
 価値観とは、「思考の枠組み」のことである。人間には、人それぞれの価値観がある。十人十色、まさにその通り・・・。
 面白いことに、価値観は人そのものに備わっているだけではなく、時代には時代の、地域には地域の価値観があるのだという。だから、同じ日本人でありながら、江戸時代に生きていた日本人と、現代を生きている日本人では、同じ日本人でありながら、かなり考え方というか常識が違う・・・。また、九州と東北では、やはり違う。
 なぜ、そうなのだろうか?もちろんそれは、生まれ育った"環境"が違うからである。つまり、人はみな、"環境"からの影響を受けて生きている。そして、その出逢った"環境"によって身につけた価値観を自分の物差しとして、物事を判断し、選択しながら生きている・・・。
 人間は、歳を重ねる度に、様々な"環境"との出逢いを体験する。だとすると、「自分が信じている今の価値観は、いつどこで、どんな出逢いの影響を受けて、身につけたものだろうか?」 「今の自分に最もインパクトを与えた要因は何だったのだろうか?」
 しかし、改めて聞かれると答えに窮するのではないだろうか。
 人生には節目がある・・・。進学、就職(転職)、結婚(離婚)等など。そんな人生の転機となる体験やそのプロセスの中で、どんな影響を受けて、私たちの価値観は形成されてきたのだろうか。また、多くの読書やセミナー等の勉強会、絵画や音楽の鑑賞、宗教等との出逢いも価値観の形成に大きな影響を与えているように思える。
 このように様々な"環境"との出逢いをベースに、今の価値観が形成されてきたのであろう・・・。ただ、私の場合は、仕事という"環境"からの影響が一番大きいという確信がある。その影響力は今でも大きく、今なお日々、価値観の成長を実感している。
 仕事とは、「仕」も「事」も「仕える」と読む。そこに、仕事の意味がある。今や死語に近いが、「滅私奉公」という言葉がある。昔は、働く者の倫理・道徳として広く語られ、価値観の形成に強い影響を持っていたようだ。仕事の本質を捉えた言葉だと思う。
 仕事を与えてくれる"環境"に貢献するためには、"環境"が求めているもの、需要をしっかり掴むことが重要だ。自らの価値観に捉われずに、"環境"の声に耳を傾けてみよう。"環境"が真に求めているもの、その変化などが聞こえてきそうな気がする。
 ビジネスの成功は、"環境"から必要とされている仕事を開発した者によって、享受されるものだ。元々、"環境"から授けられた価値観、環境の進化に貢献できてこそ、その成長も約束されるものだと考える。

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