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考える言葉

集中経営

2026年10月05日

最近、"集中経営"という言葉について考える機会があった。経営とは、限られた経営資源をどのように配分し、どこに力を注ぐのかを決めることである。そう考えると、"集中経営"とは、単に一つの事業に絞り込むという意味ではなく、「何に集中すべきか」を明確にし、そこへ経営資源を徹底して投入する経営だといえよう。
  P・F・ドラッカーは、成果をあげるための秘訣として"集中"を挙げている。以前、「選択と集中」について考えた際にも、「集中」とは、多くの可能性を捨てることであり、同時に、自分にしかできないことへ力を注ぐことだと整理した。
ところが、現実の経営では、あれもこれもと手を広げてしまいがちである。新しい商品、新しい顧客、新しい市場、新しい取り組み......。どれも必要に思えるからである。しかし、経営資源には限界がある。人も、時間も、資金も、経営者のエネルギーも無限ではない。だからこそ、「何をやるか」以上に「何をやらないか」を決めることが重要になる。では、何に集中すべきなのだろうか。小生は、次の三つの視点が大切だと思う。
   1 "強み"に集中する。
   2 "顧客価値"に集中する。
   3 "未来"につながる領域に集中する。
 
 ドラッカーも、成果をあげる原則として「強みに集中する」ことを挙げている。弱みを平均的な水準まで引き上げることに多くの時間を費やすよりも、自らの強みをさらに伸ばし、卓越性を生み出すほうが成果につながるのである。
IGグループが取り組んでいる未来会計やMAS監査も、「何でもできます」という発想ではない。経営者とともに未来を描き、その実現のために「仮説~実践~検証」の経営サイクルを回していく。まさに、自らの強みを明確にして、そこへ経営資源を集中させていく考え方だと思う。
また、"集中経営"には、人材の集中も欠かせない。すべてを経営者一人で抱え込むのではなく、「任せる」ことによって、自分にしかできない仕事へ集中する。これは以前考えた"選択と集中"のもう一つの重要な側面である。
 IGグループでも、後継者育成塾や行動計画発表会などを通して、自ら考え、自ら目標を掲げ、自ら行動できる人財の育成を目指している。組織として一人ひとりが主体的に動くことができれば、経営者だけに負荷を集中させるのではなく、組織全体の力を一つの方向へ集中させることができる。結局、"集中経営"とは「捨てる経営」であり、「選ぶ経営」であり、そして「一点に力を集める経営」なのではないだろうか。
これからますます変化が激しくなる時代である。限られた経営資源を分散させてしまえば、どの分野でも中途半端になってしまう。一方で、自社の存在目的と強みを見極め、未来に向けて集中すれば、小さな力でも大きな成果を生み出すことができるであろう。「我々は、何に集中すべきなのか。そして、そのために何を捨てるのか」。経営者として、この問いを常に自らに投げかけながら、"集中経営"を実践していきたいと思う。
                            "考える言葉"シリーズ(26-37)

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