STP分析
2024年12月02日
先週の"考える言葉"シリーズ(24‐42)の中で、"STP分析"について少し触れていたが、今回はこのことについて考えてみたい。
"STP分析"とは、市場を「セグメンテーション(Segmentation)」により細分化し、「ターゲティング(Targeting)」で狙うべき市場を定め、「ポジショニング(Positioning)」によって競合との差別化を図ることで、効果的にマーケティング戦略策定するためのフレームワークである。
マーケティングの実践は、「環境分析」「基本戦略」「具体的施策」の3つのステップに分けることができる。"STP分析"は、「基本戦略」のステップで利用するフレームワークである。
"STP分析"を行うことで、次の3点を把握できる。
① 市場における顧客ニーズ
市場を細かなセグメントに分割する。その過程で、各セグメントにどのようなニーズや特性が存在するかを把握できる。
具体的には、世代別、男女別、職業別などで分類。その他、経済的地位や地域などでセグメントする。
② ターゲット市場に対してより効果的なアプローチ法
狙うべきターゲット市場を特定することができるため、広告やプロモーション、製品開発などのリソースを最適化することが可能となる。
具体的には、集中型・差別型・無差別型マーケティングなどの手法がある。
③ 競合他社との差別化のポイント
ターゲット市場における自社の立ち位置を決めるためには、自社の製品やサービスが顧客に対してどのような価値を提供できるのかを把握することが重要である。
具体的に比較する軸の代表例としては、値段・品質・店舗数・販売チャネルなどがある。
以上、"STP分析"は、なかなか理に適った分析手法であると思う。
あと、"STP分析"を実際に行う際の留意点をいくつか挙げておきたい。
① STP分析の実施のみで満足せず、他の手法も併用し、多角的な視点から検討を行うように心掛けること。
② 選択した市場の大きさや成長率を十分に確認すること。
③ STPの順番にこだわりすぎず、着手しやすい項目から進めてもよい。
百聞は一見に如かずという。自社の基本戦略を考えるときに、一手法として試してみたらどうだろうか。
"考える言葉"シリーズ(24‐43)