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プラス発想の大切さ

1997年12月22日

 『生命の暗号』という著書のなかで、村上和雄筑波大教授が遺伝子と心の関係について注目すべきことを述べてある。

 生命科学の研究は著しい進歩を遂げており、生命の謎に迫ろうとしている。

 一つの細胞(受精卵)が分裂を繰り返し、いまの私達がある。キロあたり約一兆個の計算で、体重六十キロの人で約六十兆個をもっているといわれている。膨大な数の細胞からできているのであるが、もっと凄いのは、この細胞の一個一個に、すべて同じ遺伝子が組み込まれているということである。遺伝子は細胞の核のなかにあり、いわゆる、DNA (デオキシリボ核酸)という物質の事である。DNAはらせん状の二本のテ-プになっていて、そのテ-プ上に四つの化学の文字で表される情報が書かれている。この情報が遺伝情報で、そこには生命に関するすべての情報が入っていると考えられている。

 ヒトの細胞一個の核に含まれる遺伝子の基本情報量は三十億の化学の文字で書かれており、本にすると、千ペ-ジの本で千冊分になり、このDNAに書かれた膨大な情報によって生きているといわれている。
 遺伝子は三十億もの情報をもとに細胞を働かせて生命活動を維持しているのであるが、実際に働いているのはわずか5%程度とみられている。
つまり、ほとんどの遺伝子は眠った状態にあるといえる。
 遺伝子の活動をONにしたり、OFFにしたりする要素は三つあるとされている。それは遺伝子自身と環境と『心の働き』である。
 著者は、基本的な生命維持活動は遺伝子自身においてコントロ-ルされているが、眠っている遺伝子をONにするのに心が大きく関係してるのではないかと考えている。

 強い精神的ショックを受けて、たった一晩で髪の毛が真っ白二なる。
 
 末期ガンで死を宣告された患者が回復する。
 
 「火事場のバカ力」といって、極限状況になるととてつもない力を出す。
 
 昔から「病は気から」という。
 遺伝子と心の作用が大きく関係しているのであれば、心の状態が遺伝子の活動に大きな影響を与えている事になる。
 
 プラスの発想はよい遺伝子をはたらかせ、マイナス発想はわるい遺伝子をはたらかせることとなる。
 
 中村天風先生は「人生は心一つの置きどころ」と言っているが、宇宙の法則に通じた真理(哲学)が科学的にも実証される時代も近いのだろうか。
 

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