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考える言葉

リーダーシップ

2014年11月10日

 "リーダーシップ"とは何か? 「治世のマネジメント、乱世の"リーダーシップ"」という言葉があるが、環境が激変するなか、"リーダーシップ"論が盛んである。
 いつの時代においても、重要な課題なのであろう。『孫子の兵法書』は、紀元前500年頃(中国春秋時代)の著書として有名だが、その中の『将とは、智、信、仁、勇、厳なり』という リーダー5つの条件が記されてある。いまでも多くの経営者に愛読されているところをみると、共感できる内容が多いのだと思う。
 さて、本題の"リーダーシップ"とは何か?であるが、ドラッカーの"リーダーシップ"論から学びたいと思う。
 リーダーに関する唯一の定義は、「つき従う者がいる」ということである。そして、「生まれつきのリーダー」なるものは、多少いるかもしれないが、稀である。つまり、"リーダーシップ"とは「学びとるべきものであり、学びとることができるものである」と述べている。そして、"リーダーシップ"それ自体は手段であり、「何のための"リーダーシップかが重要である」と指摘している。
 優れたリーダーは、次のことを認識しているという。
 第一に、リーダーシップとは人気ではない。結果を出すことである。つまり、つき従う者が正しいことを行なってこそのリーダーである。
 第二に、リーダーとは目立たざるをえない存在である。したがって、リーダーは模範とならざるをえない。
 第三は、リーダーシップとは、地位や特権、肩書きや財力ではない。それは、責任である。ゆえに、効果的なリーダーは、つねに厳しい。しかし、うまくいかなかったとしても、それを人のせいにしない。
 "リーダーシップ"の真髄を想うたびに、土光敏夫氏(1896~1988)の次の言葉を思い出す。「社長とは割に合わない商売である。任された権限はすべて部下に委譲してしまう。すると、ポケットには何も残らないかといったら、そうではない。責任は全部残る。権限は与えても、責任は100%残っているのだというのが、ボクの主義だ」 土光さんのこの言葉は、出逢って以来ずっと噛みしめ、反芻している。
 それから、松下幸之助氏(1894~1989)の次の言葉も好きだ。「部下と、能力競ってはならない。しかし、会社を良くしたいという信念と熱意の強さだけは譲れない」
 「偉大なリーダーは、大義によって育まれる。同時に、リーダーが大義を育む」という言葉がある。大義への真摯さ、そして一貫性のある行動が"リーダーシップ"の真髄だと考える。

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