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考える言葉

棚卸し

2015年02月17日

 Ja-BIG主催の『MAS担当者 養成基本講座③「経営の本質」』(2月13~14日)を終えたばかりである。
 変化の多い時代環境では、たんに効率性の追求だけでは成果は望めない。創造性や変革を実行するリーダーシップが求められる。つまり、「何のために」という目的や根本を問う本質思考ができるリーダーが必要となるのである。今回は、ピーター・F・ドラッカーやマービン・バウアーなどの経営思想をベースに「経営の本質」について、じっくりと考えてもらった二日間だったと思う。
 さて、話題は変わるが、本講座後の補講で『トヨタ流5Sの進め方』(講師 石井住江コンサルタント)を学ぶ機会があり、腑に落ちたので少し紹介をしたい。
 トヨタ流5Sの凄さを一言でいうと、下記の通り使う言葉の定義づけがしっかりしているので本質思考(物事を深く考える力)が身につき、主体的な人財の育成につながることであろう。
 ① 整理:現状の把握(あるべき姿と現状との差)
 ② 整頓:問題点の費目別区分け
 ③ 清掃:問題点の見える化と役割分担(ムダの削減)
 ④ 清潔:財務データの検証による進捗管理(ルールづくり)
 ⑤ しつけ:ルールの定着化・継続性
 石井講師の話を聴きながら、頭に浮かんだのが"棚卸し"である。流れがよく似ているのである。ここでいう"棚卸し"とは、小生が定期的に行っている自分自身の仕事に対する進捗管理(整理・整頓)のことである。
 日々の業務の進捗状況は毎日チェックを行っているが、最低月に一回はまとまった時間をとって、仕事全体からの見直し、つまり"棚卸し"を行っている。今抱えている仕事の一覧表を作成し、あるべき姿から要・不要を再確認し、捨てるものは捨て、残すものについては優先順位の見直しを図る。
 "棚卸し"の効用は、抱えている業務の整理整頓がつくのは勿論であるが、心の整理(置き所)ができることである。どんなに多忙なスケジュールであろうと、それが「為すべきことを為すため」に重要であることが確認できれば、腹が決まるというか、エネルギーが湧き出てくるのを感じることができるのである。
 やはり、人間には、深く考えるための時間が必要なのだと思う。ハードに働き、立ち止まって内省するための時間・・・。
 IG主催の『将軍の日』は考える一日、"棚卸し"のための大切な時間だと確信する。

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